三十三間堂の通し矢

みなさんは「三十三間堂の通し矢」というイベントをご存知ですか。
このイベントは、毎年成人の日に合わせて国宝である三十三間堂で厳かに執り行われる伝統のある真剣狭義の名称です。

なお、多くの人がすでにご存知かもしれませんが「三十三間堂」は京都市東区にある正式名称「蓮華王院」にある本堂の名称です。南北に建てられた細長い形状をしており、おお堂内陣の柱間が33もあるのがその最大の特徴です。そしてこの「33」という数字は観音菩薩の三十三の変化身に基づく数であることに基づいているそうです。

なぜ成人の日に?

そんな歴史深い「三十三間堂」で成人の日に「三十三間堂の通し矢」が行われているその最大の理由は、本イベントの主役がまさにその日に成人式を迎える20歳の若者たちであることに由来します。近年の成人式というと若者たちが会場で騒いだといった残念な話題があがることが恒例になりつつありますが、本行事にあたってはそのような雰囲気は一切ありません。その起源については残念ながら明らかになっていませんがその始まりは室町時代までさかのぼることができると言われており、最盛期であった江戸時代前期には諸藩が名誉を競い合う競技であったと言われているそうです。

参加できるのは?

そんな本イベントに参加できるのは、全国から集まった弓道の有段者である腕自慢の成人です。そしてその人数はその年によってばらつきがありますが多い年の場合2000人に及ぶ成人が集まる一大イベントです。

成人男女の真剣勝負

集まった数千人にもおよぶ有段者たちが行うのは木造建築の中では世界でも群を抜く高さを誇る120mの西側の軒先から約60m先に置かれた1mの大的を射るというものであり、その雰囲気は本当に厳かで一度はその目で見ていただきたいと存在と言えます。そんな真剣勝負が行われるのは国宝「本尊千手観音坐像」の目の前です。みなさんも修学旅行などで一度はその圧巻の存在感をその目で見たことがあることでしょう。そのようなその存在だけでも圧倒的な「本尊千手観音坐像」の前で厳かな真剣勝負を繰り広げるのが本競技のみどころです。特に1000人単位の成人が協議に参加するため、10人前後ずつが並んで弓を一気に射るという形でその競技が進めるので広げた手もまた千手のごとく見えるかもしれません。なお、本競技は行うのは成人の男女です。そして特に女性は「晴れ着」を着用して競技に参加することが認められている点も見逃せないポイントです。目に鮮やかな袴に身を包んで登場するのでその姿を見るだけで日本に生まれて良かったと実感できるかもしれません。

朝の8時半からスタート

なお、矢を射る時間帯の詳細はその年によって多少変わる可能性がありますが基本的に新成人男子からその競技が下賜されます。そしてその時間は朝の8時半からと早いスタートである点には注意が必要です。その後新成人女子が11時前くらいからその競技を開始します。そして午後になると14時前ほどから称号者が競技を行いその後14時斑ころから決勝戦を行うのが通例です。なお、称号者については前述した1mの大的からさらに小さい75cmの的に切り替えて競技を行っています。

観覧席も用意されています

そんな成人が真剣勝負を繰り広げる「十三間堂の通し矢」は、観覧席が用意されており誰でも気軽にその観覧を行うことができる点も大きな魅力です。ただし毎年9時過ぎには観覧席は埋まってしまうのが通常です。そのため、しっかりとその競技を見学したいという方は少し早くはなりますが9時より早めにその席を確保するのが良いでしょう。

また、三十三間堂には自家用車50台分の無料の駐車場が用意はされていますが、競技に参加する数千人という人数を踏まえればわかる通りその台数は非常に少ないと言えます。そのため、見学を希望される方は電車あるいはバスで訪れることをおすすめします。

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