日本三大奇祭 ”会陽” 別名”はだか祭り”

"旧暦の1月に当たる現代での2月の第3土曜日には、岡山県の岡山市にある西大寺で、会陽という祭りが開催されます。それは日本三大奇祭にカウントされるほど珍しい内容で、一言で例えると裸の男性が一気にぶつかり合う祭りです。その内容から、「はだか祭り」の別名も持っています。これは修正会という毎年1月に行なわれる仏教の行事が大きく関係します。
祭り本番は第3土曜日だけですが、その3週間前にはすでに行事は始まっています。まずは行事のメインになる宝木を取りに行くことから始まり、実際に使用される形へと加工されるのに1日が使用されます。そして14日前になると修正会の開白という祭りの開催を申し述べる行事が行なわれ、そこから祭り当日となる日まで祈り続けられます。

どんなことするの?

当日に何が行なわれるかというと、参加者の男性による宝木争奪戦です。それは深夜に始まり、夜が近づいて来ると彼らは「ワッショワッショ」という掛け声を放ちながら熱気を高めていきます。
奪い合いをする前にまずは牛玉所大権現という神仏へと参詣します。牛玉所大権現は裸の守護神でもあり、男性たちはその守護を受けた後に奪い合いの行事をするわけです。
そして加護を受け終えた男性が集まると、西大寺の院主さんが御福窓というところから宝木が投げ入れます。男性たちはそれに一気に群がり奪い合いを始めます。深夜に大勢の裸の男性が一挙に蠢き合う様は、奇祭の名に恥じない光景を作り出します。そしてその周囲には祭りを見学するために集まった人たちもいるので、その人数は数万人に上ります。
投げ入れられる宝木は2本で1組なので、実質的には2本を奪い合うことになります。男性の目的はどちらか1本を手にしたまま仁王門と言うところからでることで、それが果されると取り主という福男に認められます。その宝木が本物であると認められると正式に受け渡すための行事へと移り、そこから1年間は自分で祀ってもよいことになります。

祭りの由来は?

祭りの由来は1510年まで遡り、修正会の日に守護札を出したところそれを求める人が殺到したので、札を高くに放り投げたことから始まっています。その人々が衣服を掴まれないように裸になったと伝えられていることから、参加する人はまわし姿になります。

参加するときは 男性であることが前提でお寺に届け出を

この祭りの参加資格は男性であることが前提で、中学生以上であれば誰でも参加できます。近くに住んでいなければならないとか、宗教の違いも関係ありません。ただ危険が伴うのでお酒を飲んだ状態での参加は禁止となっていて、また刺青もタブーです。また飛び込みで参加をすることはできず、あらかじめお寺に届け出なければなりません。
西大寺からも伝えられていますが、割と危険が伴う内容です。お寺は何があっても責任をとってはくれないで、その点は気を付ける必要があります。また珍しいスタイルの奇祭ではありますが、あくまでも神聖な行事なので、そのつもりで挑まなければなりません。そのことを把握した上で、参加したいのであれば是非参加してみてください。

女性参加の場合は 別のポジションで

まわし姿になって暴れまわるという西大寺会陽の主役と言えるポジションは男性に限られていますが、女性も別の形で参加することができます。夜の始めごろになると白衣を着て、冷水に入ってけがれを落とす水垢離という流れも、行事の大切な一部です。また祭りの始まりを告げるのは会陽太鼓というものですが、その叩き手は全て女性です。男性は太鼓を叩かずに、揉まれながら宝木を奪い合えというわけです。
さらに本番とは別の明るい内から、小学生以下を対象とした裸祭りが行われ、年齢制限で本行事にはまだ参加できない子ども達もこちらで本格的な祭りの雰囲気を味わえるようになっています。"

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